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自動車内ハーネスの無線化に関する研究

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【研究背景】

 高度道路交通システム社会の到来に伴い,今後自動車内はオフィスまたは家庭にいるのと同等の快適な環境になると予想されています.このような動向から,車内の快適性またはエンターテイメント性の向上のために車内LANの研究が国内外において活発に行われています.例えば,車内LANでは乗客が持ち込んだ情報端末やPCから車内サーバへのアクセスやサーバから座席モニタへの高精度動画の高速伝送などが考えられていますが,現在は有線接続(ハーネス)による通信が一般となっています.しかしながら,ハーネスによる車体重量の増加(大人1人分の重量に相当)や車内の快適性の妨げになるといった問題があるため,本研究室ではこれらのハーネスの無線化(車内無線LAN)の可能性について研究しています(図1).

【研究内容】

 ハーネスを無線化することで車内の快適化だけではなく,保守点検が不要になることや燃費向上などにも貢献できると考えられます.しかしながら,車内の多くは金属で覆われた狭い閉空間で厳しいマルチパス環境にあるため,従来の狭帯域通信による無線LANではマルチパス干渉による伝送特性の劣化や乗客による特性の大きな変動が問題となると考えられ,動画などのエンターテイメント情報の伝送に必要な伝送速度を実現することは難しいと考えられます.そこで,このような課題を解決するために本研究ではマイクロ波帯(3~10GHz)及びミリ波帯(60GHz)の超広帯域無線(UWB)に着目し,乗客の影響や座席位置による通信特性の違いなどについて実験的に検討しています(図2,図3).また,並走する車両などへの影響についても明らかにするため車外への電波の漏えい電力についても検討を行っています(図4).

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図1 車内無線通信のイメージ図

1.2_2-1
1.2_2-2
(a)車内の通信特性測定 (b)車外への漏えい電力の測定

図2 実験風景

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図3 乗客の有無による車内の遅延プロファイルの違い

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図4 車内無線の車外への漏えい電力分布