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呼吸モニタリング電波センサの研究開発

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【研究背景】

 近年,高齢化社会の到来により,高齢者の一人暮らしや夫婦世帯数が増加しています.そのため,高齢者の安否や健康状態の見守りを支援する在宅モニタ用センサの需要が高まっています.これまで呼吸モニタリングには直接患者の胸部に電極を貼付けたり,口や鼻にサーミスタを取付けて呼吸運動を監視する方法が用いられています.しかしながら,このような接触式あるいは配線が必要なセンサは患者に不快感を与え,また体位変動などによるセンサの離着事故,介護や看護作業の防げになっています.そこで,非接触や無侵襲による呼吸監視システムの開発に期待がよせられ,様々な研究開発が報告されています.本研究室では電波センサによる睡眠時の呼吸モニタリングセンサと処理アルゴリズム(テンプレート法と標本点ダイバーシティ法)を提案し,実証実験を行っています.

【研究内容】

 睡眠時の呼吸モニタリングは,体動や寝返りなどの体位変動が測定精度を劣化させることが考えられため,それを取り除くことが求められています.また,介護施設や一般家庭では,複数人が同室で就寝することもあるため,複数人の同時呼吸モニタリングも求められています.本研究室で提案している電波センサは介護施設や一般家庭における睡眠時の呼吸と心拍モニタリングを目的としています.図1のような測定環境で実験を行い,呼吸モニタリング結果の一例を図2に示します.図2は高齢者夫婦など被験者が同室で2人就寝している場合の呼吸運動波形です.実際の呼吸波形との比較から遠方の被験者2の呼吸運動を正確に検知していることがわかります.また,図3に寝返りがあった場合の結果を示しており,提案したアルゴリズムを用いることにより寝返りなどに対しても継続して呼吸運動を検知できることがわかります.さらに,図3の黒の波形では,小さな体動変化も取り除いていることが確認できます.

2.2_1

図1 測定環境

2.2_2

図2 被験者2人の呼吸運動(同時に二人の呼吸を検出)

2.2_3

図3 体位変動を含む呼吸運動(ダイバーシティにより常に安定した呼吸をモニタリング)